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日本のパスポートが「世界最強」であるという言葉が与え得る大きな誤解

先日、同僚と雑談をしているときに、「日本のパスポートはたくさんの国にビザ無しで滞在できるって聞いたけど本当か?」と聞かれました。

すると一緒にいたイタリアの同僚がすかさず「いやいや、イタリアのパスポートもなかなか便利だぜ」とコメント。
さらにルクセンブルクから来てる同僚も「私の国はどうかな?」とのってきます。
いい流れです。

この話題をふられたとき、「たしかに日本のパスポートが『最強』だとは聞いたことがあるけど、その根拠については全然知らないなー」と思ったんです。なので調べてみました。

これはぼくだけかもしれませんが「世界最強」というキーワードから、日本のパスポートはダントツで世界No.1ってイメージがありました。
ところが調べてみた結果、思っていたのと違うことが分かったんです。
分かったことは2つ

  1. たしかに世界1位であるという調査結果はあった
  2. 一方で世界1位ではないという調査結果もあった

あれあれ?という感じです。
それぞれ調べてわかったことを書いていきます。

 

1. 日本のパスポートは世界最強であるという調査結果

「日本のパスポートが世界最強」というキーワードでGoogle検索をかけると、
ヘンリー・アンド・パートナーズという会社の調査結果を流用して書かれた記事がヒットしました。
ここにはたしかに日本のパスポートがNo.1だと記載がありました。
ヘンリー・パスポート指数という、その国のパスポートがビザなしまたは到着ビザでアクセスできる国の数を基準にした指数を使って順位付けしていました。
日本は193カ国でトップ。なるほど。
国連加盟国がちょうど193カ国なので、国連加盟国ならどこでも行けるのかな?
ただし、この調査では、2位のシンガポールと韓国もそれぞれ192カ国。
つまり日本とシンガポール・韓国は1カ国しか違いがありません

さらに、その後のランキングも

と続きます。ここまでで10カ国が登場しましたが、ほぼ一緒やがな(笑)

参考:「ヘンリー&パートナーズ」による調査結果が掲載されていた記事

2. 世界1位ではないという調査結果

さて、次に紹介するのは “passport power” というキーワードでGoogle検索をかけて出てきたサイトの結果です。
ビザなしで入れる国と何かの数字の差分?がベースになっていそうでしたが、算出ロジックはわかりませんでした。

そして、こちらではなんと、日本の名前が一番には出てきません!
1位はアラブ首長国連邦で 175ポイント。
その次に2位の172ポイントで日本を含む以下の13カ国が並んでいます。
ドイツ、スウェーデンフィンランドルクセンブルク、スペイン、フランス、イタリア、オランダ、オーストリア、スイス、日本、韓国、アメリ

このあたりの国とほとんど変わらないってことですね。

参考: passport power のキーワードで調べた結果のサイト


あまり深く考えずにパッと調べてみただけでも、これまでの自分が勝手に描いていた日本のパスポートがダントツで世界No.1というイメージは誤っていたことがわかりました。
ちゃんと根拠を調べるって大切ですね。再認識できました。

くれぐれも、「日本のパスポートは世界最強だぞー。どやぁ。」なんてしないことですね。